日割り計算の仕組み
こんな事を言うと大バッシングを受けそうだが、最近の若者の知識レベルの低下には危機感を覚えるものだ。
これから学生ローンでお金を借りようとしている者が、信じられない事に「利息」の意味がわかっていない者が多く目立つ。
利息とは、お金を借りるにあたって、元本に対して決められた利率でかかる使用料だ。
法律用語では、「果実」とも呼ばれ、法定利息の事を「法廷果実」とも呼ばれる。
最近特に目立つのが、例えば30万円を借りて毎月1万円ずつ10回返済した者が、残高の問い合わせをして驚きからクレームに変貌する学生が多いというのだ。
「1万円を10回返したのだから、残りが20万円になっていないのはどういう事だ!!」という主張のようだが、これを聞いた時は思わず苦笑いしてしまった。
ほとんどの人はもうご理解頂いていると思うが、まさか何がおかしいのかわからないという人は、借金はしない方が良い。
わざわざ説明するまでもないと思うが、一応念のため説明すると、以下の通りとなる。
年18.0%の利率で30万円を借りた場合、1ヶ月(30日)あたりの利息は4,500円である。
1万円を返済しても、まるまる1万円が元本から減るわけではない。
まず利息に充当し、余った分がはじめて元本に充当されるのだ。
したがって、この場合は5,500円が元本に充当されるわけだから、残高は294,500円という事になる(日割り計算は考慮せず)
そして、次回の利息は残り294,500円に対して利息が掛かるので、前回よりは安くなるのである。
すなわち、毎月の返済額が同じ1万円でも、元本に充当される割合が徐々に大きくなり、逆に利息充当が少なくなっていくのだ。
この辺まで理解している人は問題ないのだが、おそらく充当割合が毎月変化するところまで理解している人は、以外と少ないのではないだろうか?
日割り計算の落とし穴は、他にもある。
例えば、最初に借りた時点で10万円を借りた場合、第一回目の支払日を20日後に設定すると、貸付明細書には20日分の利息が表示される。
これが通常の利息として取られてしまうと、10日分の利息を少なく毎月返済してしまい、毎月不足金が発生してしまう恐れがある。
最初の伝票を見て、「安い」と感じてしまう学生も少なくないはずだ。
もちろん、初回の支払日を40日後などに設定した場合は、逆に「高い」と感じる学生もいると思うが・・
いずれにしても学生ローンは、説明をきちんとしなければならない。
相手が理解するまで丁寧に何度でも説明をするべきだろう。